1.カロリーを減らす ‐ 今の食事から減らすカロリー

 栄養指導(常識)に従って、標準体重で計算した、食事から「摂るカロリー」を摂っても生活習慣病が治らない人がいます。「摂るカロリー」でなく、今の食事からどれだけ減らすかという「減らすカロリー」にすると、無理や手間を減らして、確実に体重が減らせます。(pptファイル
 また、運動で消費するカロリーを増やすことに比べても、食事のカロリーを減らす方が効果的です。

標準体重が問題?

はい。筋肉が少なく体脂肪が多い(隠れ肥満の)人は、標準体重まで減らしても生活習慣病が治らないことがあります。体脂肪率を元にして目標の体重・カロリーを決めると、より多くの人が生活習慣病を治すことができます。

 標準体重と同じか、それより少ない体重でも、体脂肪が多くて、筋肉が少ない(やせ型、隠れ肥満ともいわれている)人がいます。このような人には生活習慣病の人が多く見られることが問題です。

標準体重より少なくても病気

 このときは、標準体重だから大丈夫と思わずに、体重をもっと減らせば治ります。

 高血圧高脂血症糖尿病のページのグラフを見ると、体脂肪率が男性10%、女性20%まで減るにつれて、病気の人の割合が減っていくことが分かります(同時に、それ以下に減らしても病気が治らないことも表しています。この場合、ストレスなど、カロリーの摂りすぎとは別の原因が考えられます)。

 「体重方程式」は、体脂肪率を男性10%、女性20%にするカロリーこのページの最後で、体重などから自動的に計算します)を考えます。

 「こんな数値になったことがない」と驚かないでください。これは「治るチャンス」がある体脂肪率の数値です。多くの人はこの数値まで減る前に治ります。

減らすカロリーとは?

これから摂る食事のカロリーを決めるのではなく、今の食事からどれだけカロリーを減らすかを決めると、面倒でなく、確実に体重を減らすことができます。

 栄養指導のもうひとつの問題は、ふだんの食事で「摂るカロリー」を決める、ということです。一日に摂るカロリーを決めてしまうと、それを越える暴飲暴食や間食・アルコールは止めましょう、ということになり、途中で挫折してしまいます。

 体重方程式は、「摂るカロリー」ではなく、今の食事から「減らすカロリー」を求めます。こうすると、ふだんの食事から必要なカロリーを減らしているので、暴飲暴食をやめなくても体重が確実に減っていきます。

 また、「減らすカロリー」にすると、「摂るカロリー」の食事を一から足し算して作らなくても、現在の食事との違いだけ変えればよいので、面倒でなくなります。
 そのほかに、「減らすカロリー」にすると、太りやすい体質(倹約遺伝子:日本人に多い、生まれつきカロリーを倹約して使う遺伝子)がある人でも、体重が確実に減ることが分かっています。

 このように、今の食事から「減らすカロリー」とすると、あなたの(筋肉質や洋ナシ形などの)体形がどうであっても、また、あなたの(生活環境と好みが反映されている)今の食事習慣をあまり変えないで、確実に体重を減らすことができます。

運動しなくてもいい?

はい。運動で使うカロリーは少ないので、生活習慣病が治る体重まで減らせない人が多くいます。食事のカロリーを減らすことに専念すれば、運動のあと油断することもなく、確実に体重を減らすことができます。

 すぐ後の表に体重などを入力すると、結果のところで「一日の運動時間に加える歩行時間」が表示されます。運動だけで体重を減らすためには、今の運動に追加して、どれだけ長く歩かければならないかが分かります。
 毎日これだけの時間を掛け続けることはとてもできないという人が多いと思います。

 それは、ふだんのちょっとした運動では、消費するカロリーが少ないということでもあります。

 また、運動は、思わぬ出来事のために(膝が痛くなったり、介護が入ったりという深刻なことでなく、天気が悪いからという理由だけでも)中断し、挫折することがあります。挫折すると、あなたの体重は元に戻ってしまいます。

 ですから、運動で消費するカロリーを計算に入れずに、食事に専念してカロリーを減らすのが効果的です(無理なく減らす方法は次のページで分かります)。そうすれば、もともと消費するカロリーが少ない運動の後に、油断して食事でカロリーを摂りすぎるということもありません。

下の表に、体重、体脂肪率(分からないときは身長)、生活活動強度指数(ほとんどの人はTです)、性別を入力して、[決定] ボタンを押してください。
生活習慣病を治すために必要な「食事から減らすカロリー」が表示されます。

体脂肪率が分からないときは身長(cm)(小数点以下4捨5入)を入力してください。
何も入力がないときは、体重などから推定した今の摂取カロリーの20%を「食事から減らすカロリー」とします。
T散歩,買い物など比較的ゆっくりした1 時間程度の歩行のほか,大部分は座位での読書,談話,また座位や横になってのテレビ,音楽鑑賞などをしている場合
U通勤,仕事などで2時間程度の歩行や乗車,接客,家事等立位での業務が比較的多いほか,大部分は座位での事務,談話などをしている場合
V生活活動強度Uの者が1日1時間程度は速歩やサイクリングなど比較的強い身体活動を行っている場合や,大部分は立位での作業であるが1時間程度は農作業,漁業などの比較的強い作業に従事している場合
W1日のうち1時間程度は激しいトレーニングや木材の運搬,農繁期の農耕作業などのような強い作業に従事している場合
体重 kg (小数点以下4捨5入)
体脂肪率 % (     〃      )
生活活動強度
(日常の運動量)
T 散歩,買い物など比較的ゆっくりした1 時間程度の歩行のほか,大部分は座位での読書,談話,また座位や横になってのテレビ,音楽鑑賞などをしている場合
性別 男性 女性
押してください
1. 今の食事から
  減らすカロリー
??kcal 今の運動に加
える歩行時間
??分 食事を減らさずに同じ効果を得るには1
日の運動にこの時間を加えることが必要
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